7時のニュースを見つつまどろむ。朝ドラを見た後、届いたメールに対する対策を考えながら、ゆっくりと朝刊を買いにフロントに降りると売り切れで、1階のコンビニに向かう。ホテルの前は博多駅前の貸し切りバスのロータリーで団体客でごった返していた。修学旅行生も多い。
地下2階のビュッフェで朝刊を読みながら食す。既に遅い時間ということもあって卵料理のシェフが居なくて、鉄板は冷えていた。残念。
部屋に戻って、メールの返信を書き、登記簿謄本を取り寄せることで検索する。
TVでは、『こだわり人物伝 伊丹十三』でそのユニークな育ちが才能を育んだことを理解しつつ、嫉妬しながらも、その才能に脱帽する。
講演の主催者に既に博多入りしている旨、メールする。主催者の最も気にするのは講師が来ないことであるから、その点の不安を除いておくのである。
11時のチェックアウトをすると、既に道は乾いてきていた。徒歩7分とある会場のビルを確認する。
「・・・・・どうも一度来た様な気がする・・・思い出せない。」
数十m先のハイアットリージェンシーホテルの喫茶で原稿を書く。11時20分だ。600円のコーヒーだが原稿を書くには環境こそ大切で、ここで1時間余り、来年の出版原稿で、本日の講演デビューの気の利いた原稿を1枚書き終えた。
12時半過ぎに訪問挨拶し、会場に入ると、思い出した!もう十年ほど前になろうか、ここで経営計画の研修を地元の銀行の方達と受けた記憶が蘇った。
1時半から3時間の講演に、上記原稿のデビューを果たせた。G先生からは過分なお褒めのお言葉を頂いて、安堵した。
書籍が出版社では、在庫が底を尽いたとのことだったこともあって、1刷りと2刷りが混在してしまったためお客様に迷惑を掛けた。主催者に残った在庫9冊を買い取ることにして、持ち帰る。お陰でキャスターバッグは恐らく30kgになったろうと思う。
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懇親会では昔話に花が咲いた。私は忘れていたがHさんは昔、私が何かクレームを言ったかでHさんが私の事務所に来たことがあるというのだ。だから当然(?)良い印象はお持ちでなかっただろう。それなのによくして頂いた。トレトレで10本足がニョロニョロと動くイカ刺しや、この刺身部分を食べた後は天婦羅にしたもの、明太子の出汁巻き卵などなど、美味が並ぶ。
8時ののぞみに乗る。終着駅は名古屋なので安心して眠る。
2時間ほどであろうか大阪辺りで目が覚めた。検札は気を利かしてパスしてくれた。
うとうとしていると、通路を挟んだ向かい側の客の話し声がうるさくて眠れない。
その会話が馬鹿げていて傑作だ。新幹線の中で、他が空席ばかりの中、ABCの三列席でABの隣となった他人の乗客がずっと、九州小倉まで正直と言うか隣に座り続けて辛かった・・・との話が数回繰り返された。
問題は、その通路を挟んだ乗客と私以外、すでに9号車のグリーン車には乗客は居ない中、そのよく通る声で話し続けて、こちらは眠っていられず諦めて起きる。何事も自分のことは見えないものである。
京都で、そのうるさい客が降りると、9号車は私の貸切となった。他の座席に放置してあった『週間ポスト』を読む。
在来線に乗ってからは立って、メールの返信を数通作成する。
飲酒のためタクシーで帰宅する。座席に100円玉が落ちていた。運転手に渡そうと思ったが・・・少し待った。悪い奴だ(?)俺は。しかし、こういう算段があった。タクシー料金は840円である。1000円を渡して「釣りは良いよ」という。つまり160円がチップだ。だから60円が私の実質のチップである。恐らくであろうが、この方が、運転手の気分が良いだろう???
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帰宅してメールチェックをして、入浴して、録画整理し深夜、ブログを書いて反省しつつ、『篤姫』を見る。博多のホテルで見たはずだったが、片目で見ていて集中していなかったので見直す。その中で天障院が大坂から逃げ帰った慶喜に対して労いの言葉をこう投げ掛ける・・・・
『人の上に立つものは孤独です。その孤独の苦さ辛さは、味わったものでなければ判りません。大奥の者達一千人を取り仕切っていくことさえ、時にその恐ろしさに身が竦みます。
それが天下を治める将軍ともなれば、いかほどのものか・・・それをお分かりなのは、私が知る限り、家茂候と夫であった家定候でした。お二人とも、将軍の重荷に背負われ若くして亡くなられました。
あなたは生きてください。お二人の分まで!』
(三つ指をついて)・・・・『これまでのご苦労、お察し申し上げます。』(頭を下げる)
男として、誠に嬉しい言葉である。家族からの感謝の言葉が一番の労いになるのだ。
続いて、『病の起源 糖尿病』を鑑賞しつつ、急ぎのメールを書き、明日の愛知での講演レジュメを作成する。糖尿病の危険は日本人全てに静かに忍び寄る危機だと知る。と同時に「自分を律する」ことを改めて思う。午前3時半過ぎに漸くレジュメを終え午前4時就寝する。