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久しぶりの『ブックレビュー』+推敲への戻り方+バーレーン戦

4泊の篭りの初日。7時45分起床して、朝ドラに間に合うよう、いそいそと1階の朝食会場に向かう。高級ホテルよりも、トーストは及第点だった。朝ドラ『だんだん』は今日が年度末の土曜なので最終回。祇園街の女将というものの度量を知る。

さあ、終わったので『ウェイクアップ』をと思い慣れないリモコンでチャンネルを探すと、暫く見ていなかった『週間ブックレビュー』が飛び込んできた。「おお!今日だったか!」といきなり変更して鑑賞する。これを見るとまた本が読みたくなってしまうから困りものなのだが・・・。1冊目のお奨めは、『33個めの石 傷ついた現代のための哲学』は、哲学者森岡正博の著した平易な見開きで展開する切り口に良い哲学エッセイと知って、早速読みたくなった。「33個目の石」とは・・・

外国での実際の事件である。学校での銃乱射事件で犠牲になった32人の追悼のために32個の石が置かれた。しかし、誰かが、33個めの石・・・それは事件直後に自殺した犯人を表す石を置く。学校はそれを排除するのだが、するとまた誰が置く・・・・

日本では、JR福知山線の列車脱線事故で、106人の乗客が亡くなった。そして106人の追悼がなされたが、運転手たる107個めの追悼は行われなかった。厳罰化は容易く、許容は難しいとつくづく思う。

私も著作権侵害を受けた時、それを思った。被害者は頭に血が上る。絶対勝てる裁判。とことん懲らしめてやりたい!と思う。それをどうやって、挙げた拳を降ろすのか?相手の態度に納得できなくとも、自らの中で昇華させて、降ろすには容易ではなかった。それを命の関係する場面で思えるか?

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2冊目は、漫画家の西原理恵子著『この世でいちばん大事な「カネ」の話』。怖いお金の話。「やりたいことが見当たらない人のための仕事の選びかた」「自立は経済から始まる。」「働き続ける大切さ」「働くことは自家発電」など、これもまた読みたくなってしまうではないか!

『見る』は、合評対象ではなかったが、私の日頃の企画に使う目線の効力を指摘していたので、買いたい。3冊目は、マイケル・オンダーチェ著『ディビザデロ通り』で、「優れた監督は、カットの間に観衆の想像を自然に挿入させる」と聞いて、『ブレードランナー』を想像した。

特集コーナーでは『小林秀雄先生来る』は新潮社の小林秀雄のCDを聞いた作家小林宗典氏が語る。「ギャップに面白さがある。」は、私も常に意識するところだけに、我が意を得たりと喜ぶ。

小林先生のCDは私も聞いたことがある。想像よりかん高く威厳のない声は、知の巨人、小林秀雄とは異質のものだったが「ベルグソンが・・・」という繰り返しが妙に記憶に残った。
「講演を活字にする」ことも禁じられていたと聞いて、そこまでの著作権に感銘した。そう言えば、活字を映画化する権利も別の権利になるから、無許可に映画化はできないのだと・・・・。

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目の前に広がる大きな自由な時間が執筆活動を羽ばたかせる・・・・まさに今朝はそれだった。
その自由な空気の中、ブックレビューを堪能し、ブログを書き、序々に机の周辺の環境整備をし、CDも3枚目に自然音に切り替え、照明に紙フードをクリップで付けて眩しくないようにする。

11時から原稿に向かう。この2日間、原稿から離れていた分、ローギアーで立ち上がらねばならない。まずは今まで書いた部分を読み返すことからスタートするのが常套手段だが、逆に考えれば、別の視点を新鮮に持ち込むチャンスでもある。

今回は後者を採った。朝食時に読めなかった日経を読み、マクロ観点の確保に努める。財務省等のHPを確認し月刊メルマガ登録もついでにしておいた。
正午のニュースを見ながら、机の周囲に関係図書25冊を集め並べた。『生活笑百科』で大助花子の漫才を聞いたところで消す。

*** <ここからワンブロックは難解だから飛ばしてください> *****

原稿の世界に戻って、はたとマクロに考える。ここで論ずるべきは何か?と。「発展」の章の中で、今度の時価概念を2つの視点から論ずる。この順番も大切なのだが、ここではこれまで書いた原稿とは逆の順番であえて書いて見て、その感触を確かめたい。いわばプロトタイプである。

第一は、「税務編」で注目される時価の周辺として挙げた1つに「経営承継円滑化法」があり、その納税猶予5年経過後の全株譲渡の際の時価より安い場合という、その「時価」をめぐって、法令化しても通達に連結するだけで変化のないと予想されること。

そしてその財務省令で規定された「時価」以下で譲渡した場合には、その下回った分について納税猶予されないという問題である。実は、これは簡単な問題である。これまで時価マトリックスでの論点で述べてきたことを使って、まずスパッ!と書く。

第二が問題である。これにどれだけの説得力を持たせられるか?論述如何である。


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上記の、推敲をする過程で、睡魔の到来した1時15分から半時ほどベッドで仮眠する。メールの着信した音で起きる。推敲初日にしては珍しく進んだ。
4時過ぎに一端、図解を試みることにする。が、仮眠する。が、仮眠しつつ、ああでない、こうでない・・・と考えている自分を見出す。長考に及んでいる。

昨夜返答した東京の会計事務所から返事があった。休日出勤なのか、個人宛てに転送に返事されたのか?月末土曜は就業なのか?大変だな~・・・・自分もそうか。
6時のニュースと週間子供ニュースを見る。小沢党首の事件を例によって判り易く解説があったが、その後、農業生産法人の報道に思わず起き上がってみた。経営承継法の中に農業生産法人が入っていることもあるし、お客様の中に関係のある方もあるので注目した。

農業生産法人は、この10年で倍増したそうで、4000だったか8000だったかになっているそうだ。今、農業生産法人は、別の報道でやっていたが6次産業化を目指しているようだ。6次産業とは1次産業×2次産業×3次産業=6次産業である。
番組では、伊賀の農業生産法人を紹介していたが、モクモクファームであると思う。家族旅行にとも考えている。

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散歩を兼ねて買い物。6店舗を徘徊(?)して、運動量を確保する。書店では4冊買ったものの、目当てにしていた2冊は結局入手できなかった。金蝶饅頭は3つ買い、摘みの他、ワインを探して3店を梯子して結局ローソンに手頃なそれを見出すとは、残念なことだ。一般の酒店頑張って欲しいネ!

歩いている内に、バーレーン戦が始まっているだろうが、サッカー観戦はずっと見続けるのが疲れるので最初から見ないことを良しとした。夕食とワインを一緒にする。今日は昼食を抜いての長考だったから流石に脳が疲れた感じがする。1時間余り歩いて良い運動となった。

食後、ワインを飲みつつ、ブログ入力して、音を聞いていて、声援が高まるを聞いて画面に目を移すことにした。後半直後、8時26分俊介のゴールが決まったのを目撃!思わず「やったぁ!」と声を上げる。

ホーム初勝利9時13分にホッとする。岡田監督と中村俊介のインタビューの後、直ぐにNHKに切り替え『私の声が聞こえますか? 植物状態からの回復』を鑑賞する。植物状態でも身近な言葉の語り掛けで脳が活動している。ベルギーでの驚くべき映像は、一般的な睡眠導入剤で2時間、植物状態の人が意識を取り戻すのである。

TVを見つつ、酔っているので、先程買った『最後のパレード』を読む。買う瞬間に読んだ冒頭の「天国のお子様ランチ」の話を読み出した途端に涙が出てきたが、しっかり読んで又涙。2話目のサイン帳の話でも、またまた・・・。

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TVは9時半の途中だったが、久しぶりに『ゴクセンSP』で、ヤンクミを眺める。今回のヤンクミの登場は、コンクリートの天井を破っての登場という常識外れだった。

TDRにしろ『ゴクセン』にしろ、世の中、皆、感動を求めている。しかし、感動を見たり読んだりするだけでいいのか?!“感動を実践しよう”ではないか!何故なら待っているだけでは、それを中々巡り合う事はできない。自分でそれを実践できた時、感動というものが本当に判る。それが物語でなく、ドラマでなく、自分の人生で起こり得ることなんだと。

その実践とは何か?それは、自分のすぐ隣に、すぐ前にあることに、多分取り組む瞬間は、苦しいそれに、真剣に取り組むことでしかない。青臭いことだ。だが、残念ながらそれしかない。それを青臭いと判断した途端、ドラマでしかなくなる。

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それに応じたかのように『会社の星』では、著名人が語る「珠玉のコトバ」としてまとめてくれた。特に幻冬社の見城社長の、同種の言葉がぐっときた。関連するから、今夜買った幻冬社刊の村上龍著『無趣味のすすめ』を読む。今朝の新聞広告で『「好き」という言葉の罠』が気になって読んだのだ。

『真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクと危険感を伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。』と村上氏は言う。
また、私の気にしていた「好き」について、自分の仕事をチェックするかのように読む。だが、どうも判り難い。そこで、形容する文章を省いて要約することで、掴もうとすると・・・次のようになる。

氏にとって小説は「非常な集中を要するのでとても隙とは言えないのだ。」「小説を書くことは好きという言葉の枠外にある。」「執筆が日常的行為と化すこと、書くことそのもに満足すること、いずれも予定調和に向かう要因となる。わたしにとっては忌避すべことだ。」「好きという言葉は自家撞着・満足の罠に陥り易い。程度の差はあっても、好きという感情には必ず脳の深部が関係している。」「理性ではなくエモーショナルな部分に依存する。」「だから」「他人に説明できない。」「脳の深部から湧いてくるもので、その説明を担当するのは理性なので、そこに本来的なギャップが生まれる。」「説明可能なわかりやすい『好き』は、何かを生み出すような力には成り得ない。」

良かった。私の「好き」は、どうやら、氏の言葉に合格するようだ。
しかし、それを何とか説明する努力を忘れない。それは生命的な部分であるからだ。私のこれまで「好き」になったものと、現在進行形のものを要約すると、そこに「自己表現」「自己確認」「他人からの承認または賞賛」が必ずある。つまり他人の存在なしに、それ自体存在し得ないということだ。だから私はいう。『愛すべき大衆』と。

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先程から、地鳴りのような響きがする。原因が判らない。水道管か?風か?気になるので音楽を掛けてかき消しながら、読書する。

「好き」の続き。出版や講演は手段でしかない。自分に合うアウトプットがたまたまあるだけだ。さらに偶然にも関連するかのように、今夜買った『仕事頭がよくなる アウトプット勉強法』を開いて、私が秘訣にしてあることが、つまり秘密にしていることが書いてないかチェックする。

結果は、ギリギリセーフ!首の皮一枚つながっている様である。肝心なことは書いてあるのだが、つっこみが浅いので致命傷になっていないのだ。私自身も今それを整理しつつある所なのである。
だがそれ以上に、私の実践していない、もっとアグレッシブなアイデアに満ちた本であるし、実践であることに感心した。が、私は無理しない。出来る部分を少しずつ増やしていけば良い。

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また、『最後のパレード』に戻って読み、また涙。それだけに、数年前にTDRで体験した残念な事件を、実に、本当に、残念と思い出さざるを得なかった。帰宅してから涙ながらにクレームの電話をしたことがまざまざと思い出された。夢と魔法から一瞬にして覚めさせられた。見事に打ち壊された瞬間が、こうして何年経っても蘇ってくる・・・・

『ディズニーランドには絶対にしてはいけない、たったひとつの掟があります。それはゲストの夢を壊すということです。』(「最後のパレード」24p)

それでも、私の守ったことがあった。個人のネームプレートを記憶して、伝えなかったことだった。
それが良いことなのか、悪いことなのか・・・良くは判らない。ただ、夢を壊された瞬間よりも、後遺症が大きかったことだった。思い出すと無性に残念でならず、思わず電話した。すると驚くほどに、悔し涙が流れる自分を見出していた。毎年のように行くTDRの唯一の汚点である。

それは2005/08/25 (木) の日記にありありと残っている・・・・とわざわざ探してしまうほど怨念になっているのは私自身が未熟なせいでもある。しかしそれにもめげずに、毎年TDRに通っているのは、最後の信頼は保っている証拠なのだろう。ついでに申し上げれば、クレームの電話をして、それ以来、何も音沙汰のないことだ。

とうとう、ワイン1本を飲んでしまった。2時過ぎに珍しく風呂も入らず就寝する。1日推敲を続けたので痒くなるかもしれないのに・・・もし翌日痒くなれば、昼間でも入浴してやれ!と思って午前2時過ぎに就寝する。かかっていたBGM『ジェットストリーム』の“夜間飛行”も丁度終えた、充実した1日であった。

ただ、今日は大衆の賞賛になることはなく、その為の仕込みとしての思索の時間としての意味があるだけであろう。書斎人として、1日思索に耽っていて、満足するものでは・・・・恐らく、ないであろう。

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2009年03月28日 08:37に投稿されたエントリーのページです。

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