ジャニーズ事務所 最終的にはM&Aや民事再生や物納や…と広がる?

左図の左側に「死去」とあって、そこから下向きの矢印があり、その右に白抜きで「自社株分の納税0」とあります。その下に「相続税全額猶予」とあります。これが、ジャニーズ事務所の現状ですね。(拙著『事業承継に活かす納税猶予・免除の実務<第4版>』中央経済社2023年8月発行 297ページ)

右のページに続いて右端に爆発マークがあり、そこに「(相続税の)全額免除」とあります。つまり、ジュリー氏が亡くなるか、贈与して、次の代表取締役(図の3代目)に承継されると、ジュリー氏の相続税の免除が完成します。当然、ジャニーズ事務所はこれを狙っているでしょうね。

ところで、右のページの左端に上向きの点線の矢印があります。その先に「経営悪化でM&Aや廃業の時」というのがあります。これになる可能性も多少はあります。現在スポンサー企業が次々と離反し、NHKも紅白歌合戦から締め出すらしいので、経営悪化は避けられません。

10月2日の記者会見で、社名継続使用に合わせて、文春砲のついての集中的質問があるでしょう。その対応によっては、さらにスポンサー離れが進むと考えられなくはありません。

***************

ここから先は、大いなる推測です。

「解体的出直し」となれば、M&Aとなる可能性もあります。M&Aとなれば、原則として株式を全部譲渡となり、当然、納税猶予は取り消されて、直ちに納付しなければなりません。

その時点では、恐らく株価は下がっているため、納付額に満たないことになります。ここから先は複雑な計算が必要ですの、次回以降に話すとして…

結果的には、数年前の税制改正で、相当有利になり、救済が図られるようになって、納付額は相当減ります。それでも、民事再生法の適用を受ける可能性も高まるかもしれません。

また、別の方法として、株式を物納するという手法もあります。つまり国が買い取るのです。それでも国はそれを民間に売ることを考えます。これまたM&Aと同様、誰が幾らで買うでしょうか?グルグル回ります。