公証人役場の不誠実な対応は問題があります

『日本一シンプルな相続対策』の読者から、本の中の家族信託をしようとしたら、
公証人役場で断られたという相談が連続しました。

まったく困ったことです。
そもそも、公証人の使命とはなにか?

例えば、お医者さんと同じです。皆さんが出先でも自宅でも結構ですが、急病になったとき、病院や医院に駆け込みます。

その時、医師は診療を拒否できるでしょうか?
医師法19条1項にて「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と定められています。
つまり、これにより「いつ、どんなときにも患者から診療を求められた場合、医師であれば必ず対応しなければならない。」のです。これを医師の「応召義務」といいます。
そうでないと、困りますよね。

同様に、公証人法第3条には、「公証人ハ正当ノ理由アルニ非サレハ嘱託ヲ拒ムコトヲ得ス」
つまり、公証人は正当な理由があるときを除き嘱託(仕事の依頼)を拒むことはできないのです。

それなのに、なぜ断るのでしょうか? 簡単です。家族信託は経験が少ないので自信がないのです。
だから、やろうとすると、面倒なのです。
だから、「司法書士等の専門家が間に入ったものしかやらない」とか「任意後見の方が良いです」と逃げるような断り方をするのです。